2011年3月11日、東日本大震災により多くの方々が亡くなり、また被災されました。当時私は一般企業に勤めており、その様子をテレビで見ていましたが、それまで他人事だった未曽有の大災害がいつ自分の身に起こってもおかしくないことを実感しました。実際に現地にボランティアにも行きましたが、当時自分に出来たのは瓦礫の片付けだけでした。被災し負傷している方々の処置やケアをする方法も分からず、また資格もありませんでした。そこで今後起こりうる東海大地震に備え、知識と技術を学びたいと思い看護師を目指しました。
集中治療室は手術をされた患者様や、救急車で運ばれてくるような重症度の高い患者様が多く入院され、24時間体制で患者様の呼吸状態や血圧・心拍など全身状態を観察し管理しています。入職したての頃は看護の技術は未熟だったため、患者様に触れて状態が悪くなったらどうしようと、働くことがとても怖かったのを覚えています。仕事に慣れてきた今でも患者様が急変した時や、死に直面した時は怖さを感じますが、経験を積むことで出来ることも増えてきました。ベッドに寝た状態での治療が続いたり、アラームが昼夜問わず鳴るなど特殊な治療環境から集中治療室にいたことすら覚えていない患者様も少なくありません。その中でも一般病棟に移り退院を控えた患者様が、元気になった姿で、自分の足で歩いて挨拶に来てくれた時は、嬉しく励みになります。医療・看護は日々進歩しています。これからも患者様に寄り添った看護が提供できるよう、看護の道に邁進していきたいと思います。
入学後、多くの知識や技術を習得し、実習では患者や家族に寄り添い、支える事の大切さや難しさを学びます。支える事を学び追求していくうちに、逆に自分自身が、先生、仲間、家族、実習先など、周囲からの日々の支えを今まで以上に有難い事として捉え、より感謝の気持ちを伝える事ができるようになりました。看護師としても人としても、大切なことに改めて気づかされた3年間でした。
現在はICUで働いています。異動前の小児科とは異なった緊迫感があり、まだ知識や技術も足りず不甲斐ない日々の連続ですが、できる事が毎日増え、前に進んでいる実感もあります。先輩方の知識の量や、アセスメント能力の高さには日々驚かされ、追いつきたい一心で勉強しています。また、言葉で自分の思いを訴えることができない患者と関わる際は、表情の変化、皮膚の色や発汗の有無、姿勢は苦しくないかなども特に注意しています。苦痛を少しでも和らげ、患者や家族を支える看護師になりたいです。
入学当初は、専門的な医療用語の多い講義や見慣れない医療機器に囲まれた環境での演習など戸惑うことばかりで、これから先の学校生活に不安を抱いていました。しかし、同じ志を持つ仲間と過ごし、不安を分かち合い、共に学んでいくことで自然と学校生活に慣れていきました。また、看護学生というと臨地実習が大変だということをよく耳にしていましたが、仲間と支え合って一生懸命取り組むことで、終えてみたら大変さよりも達成感を感じることが大きく、実習を重ねるにつれ、自分が実施できた看護の幅が広がっていることに喜びを感じています。
今では、疾患や薬の知識、看護師ならではの視点、看護技術など今の自分には足りないものが明確に見え、自分が目指す看護師の理想像に向かって学びを高めていきたいと思っています。
困難な壁にぶつかって立ち止まってしまいそうな時も、一緒に壁を乗り越えようと励ましあえる仲間がいます。そんな仲間との繋がりを大切にして頑張っていきましょう。
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